精神科治療ガイドラインの教育・普及・検証活動により精神科医の治療ガイドラインへの理解度が向上~ 精神科医への教育を行い、よりよい医療の実践に大きく前進 ~

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概要

国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP、東京都小平市、理事長:水澤英洋)精神保健研究所(所長:金 吉晴)精神疾患病態研究部の橋本亮太部長、杏林大学医学部精神神経科学の渡邊衡一郎教授、東京女子医科大学医学部精神医学講座の稲田健准教授らの研究グループは、精神科医療の普及と教育に対するガイドラインの効果に関する研究(EGUIDEプロジェクト:Effectiveness of GUIdeline for Dissemination and Education in psychiatric treatment)を2016年に開始し、精神科医に対して精神科治療ガイドラインの教育の講習を行い、ガイドラインの効果を検証する研究を行ってきました。
現在43大学と130以上の医療機関が参加する国内外に例がない精神科治療ガイドラインの教育・普及・検証プロジェクトに発展しています。
EGUIDEプロジェクトは、統合失調症薬物治療ガイドラインとうつ病治療ガイドラインの講習を全国で計68回行い、延べ1500人以上が参加しました。この講習の効果検証のために、ガイドラインの理解度、実践度、処方行動によって評価を行いました。その結果、どちらのガイドライン講習においても、講習前と比較して講習後に顕著な理解度の向上が認められました。忙しい医師がたった1日の講習を受講することによりガイドラインの理解度が著明に向上する意義は大きいと考えられます。本研究成果は、EGUIDEプロジェクトの最初の成果になりますが、次の段階として、その理解したガイドラインの内容の実践度の調査や向精神薬の処方行動の調査などが既にスタートしています。これらの成果が得られると、最終的により適切な治療が広く行われるようになることが期待されます。

本研究成果は、日本時間2019年8月23日(金)午前3時に「Psychiatry and Clinical Neurosciences」オンライン版に掲載されます。

リリース日

2019年8月20日

掲載紙

Psychiatry and Clinical Neurosciences

新聞報道

  • 化学工業日報「NCNPなど新知見 精神科治療ガイドライン 講習1日で理解度向上」
    (2019年8月23日 7面)
  • 福祉新聞「精神科治療 薬剤処方、標準化へ 研究Gが講習の成果公表」
    (2019年8月26日 3面)
  • 医療NEWS「精神科治療ガイドライン講習、精神科医の理解度向上に効果 – 東京女子医大ら」
    (2019年8月28日)

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