クロザピンがもつ副作用のリスク遺伝子を同定-患者への安心・適切な治療の足がかり-

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概要

大阪大学大学院連合小児発達学研究科の橋本亮太准教授、藤田保健衛生大学の岩田仲生教授、理化学研究所の莚田泰誠グループディレクターらは、全ゲノム関連解析を通じ、統合失調症の治療薬であるクロザピンの致死的な副作用であるクロザピン誘発性無顆粒球症・顆粒球減少症のリスク遺伝子を同定しました。今回見出された発症リスクに関する遺伝子は、自己と非自己の認識や免疫応答の誘導に関与するHLA-B遺伝子の型の一つであるHLA-B*59:01 です

クロザピンは、抗精神病薬でも改善が認められない治療抵抗性統合失調症に対する唯一有効な薬剤ですが、副作用として致死的なリスクのある病態(クロザピン誘発性無顆粒球症)が 1%程度認められます。今後、本研究の結果をもとに前向き臨床研究などを進めて科学的根拠を蓄積することにより、HLA-B*59:01 が発症予測のマーカーとして臨床に応用できる可能性があります。また、HLA-B*59:01 の機能解析を行うことで、クロザピン誘発性無顆粒球症の病態生理の解明、新たな薬剤の開発に役立つことが期待されます。

リリース日

2016年1月26日

掲載紙

Biological Psychiatry(藤田保健衛生大学、理研共同)

新聞報道

  • 中日新聞「統合失調症の治療薬 副作用起こす遺伝子特定」
    (2016年2月11日 朝刊)
  • 朝日新聞「統合失調症の薬、藤田保健衛生大など研究 副作用リスク高い遺伝子型特定」
    (2016年2月11日 朝刊)

リンク

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