細胞内タンパク質輸送の異常が記憶・学習等の脳高次機能に障害を与える分子メカニズムを発見―精神疾患の新しい薬の開発に期待―

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概要

大阪大学大学院薬学研究科の中澤敬信特任准教授、東京大学大学院医学系研究科の狩野方伸教授、大阪大学大学院連合小児発達学研究科の橋本亮太准教授のグループは、細胞内タンパク質輸送を介したシナプス機能調節のメカニズムを発見し、細胞内のタンパク質輸送の異常が記憶・学習等の脳高次機能に障害を与えることを新たに見いだしました。この発見は、脳機能の分子メカニズムの研究を行っている中澤特任准教授、狩野教授と、精神疾患に関する橋本准教授の研究の共同の成果として見いだされたものです。

精神疾患の発症の原因は未だ不明な点がほとんどであり、新たな治療薬の開発が緊急の課題である現状において、精神疾患と関連する脳高次機能異常の分子メカニズムを見いだしたことは、精神医学領域や基礎医学/薬学領域において極めて注目される成果です。今後、統合失調症等の精神疾患の新規創薬研究に発展することが期待されます。

リリース日

2016年2月2日

掲載紙

Nature Communications(東京大学、AMED共同)

新聞報道

  • 産経新聞「統合失調症のリスク増加 阪大が遺伝子特定」
    (2016年2月4日 朝刊24頁)
  • 日本経済新聞「物質輸送のタンパク質不足 統合失調症リスク 阪大が解明」
    (2016年2月4日 朝刊34頁)
  • 毎日新聞「たんぱく質移動分子欠けると脳機能障害」
    (2016年2月4日 朝刊4頁)

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