統合失調症における社会機能障害への大脳皮質下領域の関与を発見
~神経回路のかなめである視床体積の低下が関連~

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概要

東京大学大学院医学系研究科精神医学分野の越山太輔大学院生、笠井清登教授、大阪大学大学院連合小児発達学研究科の橋本亮太准教授らの研究グループは、磁気共鳴画像法(MRI)を用いた研究により、統合失調症において、大脳皮質下領域に存在する視床の体積が健常者に比べて小さいという既知の報告を再現するとともに、統合失調症の社会機能障害に、大脳皮質下領域における神経回路のかなめである視床の体積異常が関与することを新たに見出しました。

本研究の結果は、統合失調症を持つ当事者にとって社会生活の支障となっている社会認知機能(社会通念や文脈の理解)や日常生活技能(金銭出納やコミュニケーション能力)の障害の基盤として、視床を中心とする神経回路の機能不全が重要であることを示した初めての報告です。これにより、統合失調症の病態解明の一助となるとともに、統合失調症の社会生活機能リハビリテーション法の開発に貢献すると考えられます。

本研究は、日本医療研究開発機構(AMED)「革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト」や文部科学省科学研究費補助金などの支援により行われました。

リリース日

2018年1月19日

掲載紙

Scientific Reports

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