ガイドライン一致率計算表の作り方と科学的意義
「ガイドライン一致率」を計算するには、「Individual Fitness Score(IFS)」を算出する必要があります。IFS計算表は、統合失調症薬物治療ガイドラインおよび日本うつ病学会治療ガイドラインの推奨治療を基に、ガイドラインに精通したメンバー20人が議論を重ねて作成しました。各項目の点数は修正デルファイ法を用いて設定され、90%以上のメンバーの同意を得て確定されています。作成過程は論文化され、外部査読も受けていることから、本計算表は科学的手法に基づいて作成されたものと考えられます(Inada et al., 2022; Fukumoto et al., 2023)。
また、「ガイドライン一致率」を用いた研究もすでに実施されており、処方内容のガイドライン一致率が高いほど統合失調症患者の精神症状が軽いこと(Kodaka et al., 2023)、さらに労働時間が長いこと(Ito et al., 2023)が明らかになっています。
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