統合失調症患者における薬物治療ガイドライン一致率(IFS)は労働時間と相関する

概要

統合失調症薬物治療ガイドラインでは、抗精神病薬の単剤治療を推奨しています。我々は、それぞれの統合失調症患者さんについて実臨床における処方と統合失調症薬物治療ガイドラインの推奨内容がどの程度一致しているかを評価するツールとして、Individual Fitness Score (IFS)という計算式を開発しています。このIFSを用いて「ガイドライン一致率」を算出することによって、処方内容とガイドラインとの一致率を0~100%で示すことができます。

本研究では、統合失調症患者さんについて統合失調症薬物治療ガイドライン一致率と統合失調症の社会機能的転帰の一つである労働時間の関係を調べました。その結果、処方内容のガイドライン一致率が高い患者さんほど、労働時間が長いことが分かりました(図1)。

(図1)ガイドライン一致率と労働時間の関係
図

<今回の結果を踏まえ、精神科医の皆様に以下の実践を提案します>

  • 統合失調症の薬物治療では、患者さんの社会機能的転帰を改善するために、従来の心理社会的支援に加えて、ガイドラインに基づいた治療の実践を提案します。

この内容は「Schizophrenia」に掲載されました。 原文はこちら


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