試料・情報を利活用しやすいような加工・情報化に協力いただける研究者
1.本研究事業の目的及び意義
精神疾患は、特徴的な精神症状や行動の障害が認められ、社会機能の障害を生じる脳の病気です。この病気の生物学的な病態についてはまだよく分かっていないことが多く、精神疾患の病態を解明し、その診断法・治療法を開発することが求められています。精神疾患の病態を解明し、その診断法・治療法を開発するためには、多くの精神疾患患者及び健常者の生体試料や検査データを収集し、それを用いて多くの研究者が研究を活発に行うことが必要とされます。本研究においては、全国の研究者が収集している生体試料や検査データを集約し、広く研究者に利活用できる仕組みを構築することを目的としています。このような大規模な生体試料と検査データが、多くの研究者に利活用されることにより、精神疾患の病態を解明し、その診断法・治療法を開発することに資することができるという意義があります。
試料・情報を利活用しやすいような加工・情報化に協力いただける研究者を募集しておりますので、是非ともご協力いただきますようお願いします。
2.本研究事業の対象
精神神経疾患患者またはその健常対照者
3.試料・情報を利活用しやすいような加工・情報化について
収集した試料・情報を一次試料・情報と定義し、一次試料・情報から利活用しやすいように加工・情報化した試料・情報を二次試料・情報と定義します。
試料の例では、血液から抽出したDNAを一次試料と呼び、DNAの解析を行って得られる全ゲノムシークエンスデータのことを二次情報と呼びます。血液から樹立した不死化リンパ芽球を一次試料と呼び、不死化リンパ芽球から樹立したiPS細胞を二次試料と呼びます。
情報の例では、撮像した脳MRI画像(通常DICOMというフォーマットになっています)を一次情報と呼びます。DICOM画像から解析するために変換したNIFTI画像や、そのNIFTI画像を用いてFreeSurfer解析を行って得られた脳の各部位の皮質厚情報などを二次情報と呼びます。
本研究では多施設にて個別の条件で収集された一次試料・情報を集約して、クオリティコントロールを行い、上記のような二次試料・情報を創出します。本研究事業ではこのように試料・情報の質を担保して利活用しやすいように加工・情報化した上で、試料・情報提供依頼者に提供することで、多くの研究者に利活用されるようになると考えています。
4.試料・情報を利活用しやすいような加工・情報化のご協力の方法
試料・情報を利活用しやすいような加工・情報化へのご協力を希望される研究者の方は、本研究事業の分担研究機関となっていただく必要があります。精神疾患データベース事務局にご連絡をいただきますようお願いします。その際に詳細のご説明をさせていただきます。
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