退院時に向精神薬の頓用処方を受けていた統合失調症及びうつ病患者の特徴:EGUIDEプロジェクト2016~2019年175施設の結果より
概要
- 頓用処方に関するエビデンスは乏しく、統合失調症薬物治療ガイドライン、うつ病治療ガイドラインのいずれでも推奨されていません。
- EGUIDE講習受講前の参加施設調査では、統合失調症とうつ病の両者で30%の患者に対して退院時に向精神薬の頓用処方が行われていました。
- 向精神薬の頓用処方がない統合失調症患者さんは抗精神病薬の単剤処方率が高く、他の向精神薬の併用が少ないことがわかりました。
<今回の結果を踏まえ、精神科医師のみなさまに以下の実践を提案します>
- まずは自施設の頓用処方率を知りましょう。
- カンファレンスなどの機会を通じて、以下を多職種で共有しましょう。
• 頓用処方には多剤併用大量処方につながるリスクがある。
• 頓用処方を出さなくてもよい状態が望ましい姿である。
• 頓用処方の「必要性」「リスク」「中止の見通し」等を話し合う。
• 患者さんやご家族と「必要性」「リスク」「中止の見通し」を共有する。
この内容は「Asian Journal of Psychiatry Volume 69」に掲載されました。 原文はこちら