ベテラン精神科医の受講者の感想
大学教授 | |
統合失調症、うつ病の講習に参加しました。若い先生方と一緒に学び、ディスカッションできて楽しかったというのが第一印象です。多剤大量処方問題やエビデンスに乏しい多くの精神療法の広がりの背景には、精神医学では「決められた治療ガイドラインがない。だから自分がよいと考える治療が許される」という誤解があるようです。これを改善していくには、最初は不十分な面があるとしても、治療ガイドラインを作って、厳しい議論によって利用価値の高いものにしていく努力が不可欠でしょう。またガイドラインが未熟な部分では、「自分なりの治療を実践するのではなく、できるだけ複数の専門家の意見を入れて合議に基づいて治療方針を決定する」が大切と考えます。本講習での講義とグループディスカッションはまさにこれを実践するものでした。診察室における医師と患者という閉ざされた関係性に慣らされ、可視化、透明化が不足している精神医療の質向上に大きな役割を果たすと思います。多くの精神科医が本講習を受講し、単にガイドラインを知るだけでなく、精神医学自体の問題点を知り、精神科医のやるべきことを一緒に考えていけることを願っています。 |
大学教授 | |
EGUIDE講習会に参加して見えたのは、若手が、いつもの回診などよりも積極的に、目を輝かせて意見を言って取り組んでいる点でした。そこで、相互に意見をやり取りするのはとても有意義ですし、通常はあまり出てこない個性がみられるのは、若手の新たな点を発見し、よかったように思います。また、無償でいろんなところを飛び回り、頑張っていらっしゃる先生方と会う経験を得たこと、全国には、いろんな個性のある優秀な先生がいるのだと感じたことのほうが、若手にとっては最も勉強になったのではないかと感じました。改めて感謝いたします。その意味では、懇親会にこそ、若手の先生方に出てほしかったですね。 |
大学教授 | |
ガイドライン講習会を受講することは、ガイドラインを読むだけでは得られない、作成時の背景・意図や作成者の先生方のお考えを垣間みることができるという点でも、また、日本各地の医療機関の先生方の処方や診療に関する習慣や考え方に触れることができるという点でも、ガイドラインを実臨床に活かす上での考え方の幅を広げるよい機会となりました。精神科治療薬処方のあり方について、広く精神科医が認識を共有していくことは大切なことですが、このようなインテラクティブなプログラムを含むガイドライン講習会は認識共有を進める上でとてもよいモデルになると感じました。 |
精神科開業医 | |
本講習を受ける前から「統合失調症薬物治療ガイドライン」、「大うつ病性障害・双極性障害治療ガイドライン」を診察デスクの傍らに置き、何度も読み返しておりました。また、時には患者さんへの説明もこれらを利用することもありました。ただ、開業医は大学や病院勤務とは異なり、ディスカッションの場も少なく、とても孤独です。実際に他の先生方はこれらのガイドラインをどう考え、どう使っているのか判りませんでしたし、ガイドラインではカバーできない個別性などをどう考えるかなど、いつも悩んでいました。本講習を受けた感想としては、午前中のガイドラインの基本講義も良かったのですが、午後からの症例についてのグループディスカッションでは自分とは背景や考え方の異なる先生方とディスカッションできたこと、グループ発表では特に若手精神科医の意見などをいろいろと聞けたこともとても有意義でした。僕の若い頃は先輩Drの名(迷?)人芸的な処方を見て、悩みながら勉強したものですが、今の若い精神科医はEGUIDE講習があって幸せですよね!あと、多くの患者さんを診察している精神科開業医もEGUIDE講習を受けていただきたいと思いました。 |
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