EGUIDE参加施設の変化
大学教授 | |
この講習会は参加した医局の医師にとってかなり刺激になったようで、その後のカンファレンスでもうつ病の診断によりこだわったディスカッションをするようになり、さらに薬物療法に関しても、エビデンスの有無、さらにはそのグレードについても話し合うようになった。また、他大学の同じくらいの経験年数の医師と意見交換をした結果、自信をもって臨床に取り組むようになり、発言する様になった印象である。 |
大学教授 | |
医師の処方行動について、患者自身の希望、医師の経験・知識や患者の個別性にもとづく選択のみならず、ガイドラインにおけるエビデンスを参照しようとする雰囲気が生まれつつある。また、自らの処方内容に関しても改めて見直す機会となった。 |
大学教授 | |
EGUIDE講習を受けてから、医局員が国際的な診断基準を用いて正確に診断することを心がけるようになった。また、ベンゾジアゼピンの長期使用が減少した。 |
精神科病院理事長 | |
EGUIDEプロジェクトの処方調査用のデータシートは、退院患者についての処方をQIだけでなく、薬のカテゴリー毎に換算量まで計算できるところが秀逸です。これを用いて、病院全体と主治医ごとに簡単に明示することができるため、フィードバックをすることができ、病院全体の医療に責任を持つ立場としては、非常に役に立つものだと思います。講習を受けた若手医師は、以前は対症療法的にカテゴリーの異なる薬剤を処方していたのが、EGUIDE講習でガイドラインを学ぶことにより、診断に基づいて抗精神病薬、抗うつ薬を適宜調整するようになりました。結果として、当院で処方の多かった抗不安薬を使用する頻度が確実に減っている印象で、EGUIDE参加後の処方調査を出すのが楽しみです。 |
大学指導医 | |
病棟で一緒に診療している若い教室員たちと、うつ病、統合失調症の講習を受講しました。指導医にとって、彼らが他大学の先生達とディスカッションし、緊張しつつも元気に発表している姿を見ることができるのは、どこか嬉しいものがありました。受講前にはこちらから言わないとガイドラインを参照しようとしなかった彼らが、受講後にはガイドラインを自ら参照し、治療方針を考え、病棟カンファレンスで意見を述べようとする姿勢がみられるようになりました。精神医療はまだ標準化不足なところがあり、地域や大学によって治療上の判断に微妙な相違が生まれてしまうところがあります。受講後、若い教室員たちが他大学の先生からの意見と自施設で身につけた判断の相違点に気づき、ガイドラインを見返し、先行研究を紐解こうとする様子も見られています。そうした向学心を刺激してくれることもEGUIDEプロジェクトがもたらす効果のような気がしています。 |
大学指導医 | |
郷に入っては郷に従え、というわけではありませんが、施設にはそれぞれの治療文化があります。今回は一緒に勤務する集団として講習を受けたことで、治療に対する共通言語のようなものが生まれて、異なる教育背景を持つ医師もカンファで発言しやすくなったように思います。年度末には参加施設全体と自施設の結果比較とともに医師ごとの処方内容をフィードバックしました。 |
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