精神科領域における診療ガイドライン(CPGs)に関する教育プログラム参加者の主観的評価

概要

 本研究ではEGUIDE講習会参加者の受講後の主観的評価(受講してどんな実感を得られたか)のアンケート調査結果を分析しました。それによれば、90%以上の参加者が以下の5つの面について高評価(5段階で4以上)を与えていました。講習に対する満足度が高いことがわかりました。

  • 内容に満足できたどうか(内容)
  • 講習会参加を同僚・後輩に勧めるか(推奨)
  • 講習会で治療についての知識を増やせたか(知識)
  • 講習会で治療技術が向上したと思えるか(技術)
  • 講習会でCPGsに則った治療選択をしようと思えたか(準拠)
 一方、「治療を適切に行う自信がどの程度得られたか(自信)」については高評価を与えた参加者が42.2%にとどまりました〈図1〉。またこの「自信」の項目の評価については、精神科医としての経験年数と正の相関を認めました。
 以上の結果から、EGUIDE講習に対する満足度は十分に高く、さらに教育プログラムで得た知識や技術を実地診療の中で実践することが、「CPGsに則った適切な診療ができる」という自信を増すためには必要であることが示唆されました。

<今回の結果を踏まえ、精神科医師のみなさまに以下を提案します>

 以下に取り組んで頂ければCPGsを踏まえた診療の自信を深めて頂くことができ、患者さんとの治療関係もより強いものになると期待できます。
  • EGUIDEプロジェクト講習会など、診療ガイドラインについての教育プログラムを受講して頂くこと。
  • その後も日常診療の中で、受講して得た知識と技術を継続的に実践して頂くこと。

図1

図1
SC: 統合失調症ガイドライン講習
MDD:うつ病ガイドライン講習
content: 内容 recommendation: 推奨 knowledge: 知識 skill: 技能 confidence: 自信 compliance: 準拠

この内容は「Neuropsychopharmacology Reports」に掲載されました。 原文はこちら


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