統合失調症または大うつ病患者の退院時処方の特徴:EGUIDE精神科治療プロジェクトのリアルワールドエビデンス

概要

統合失調症患者2177名と大うつ病性障害(MDD)患者1238名から退院時の処方データを収集しました。60~79歳の統合失調症患者は、40~59歳の統合失調症患者に比べて、抗精神病薬や催眠薬・抗不安薬の処方量が少なく、また、統合失調症患者における抗精神病薬の処方率とMDD患者における抗うつ薬の処方率には有意な差がありました。抗精神病薬の多剤併用を処方された統合失調症患者では、抗パーキンソン薬、抗不安薬・睡眠薬、気分安定薬などの併用頻度が、単剤併用に比べて有意に高いことが分かりました。統合失調症患者では、オランザピン、リスペリドン、アリピプラゾール、クエチアピン、ブロナンセリンが多く処方されていました。MDD患者では、ミルタザピン、デュロキセチン、エスシタロプラム、トラゾドン、セルトラリンが多く処方されていました。

図:統合失調症患者における抗精神病薬および大うつ病性障害における抗うつ薬の年齢および処方

図:統合失調症患者の抗精神病薬、およびうつ病患者の抗うつ薬の年齢別処方量

縦軸は抗精神病薬 (統合失調症) をクロルプロマジンに換算した1日投与量、および抗うつ薬 (うつ病) をイミプラミンに換算した1日投与量を示している。

この内容は「Asian Journal of Psychiatry Volume63」に掲載されました。原文はこちら


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